第一回Skate and Spa紀行〜スケボーしたあと、かんぽの宿に泊まる旅〜
スケボーしたあと、かんぽの宿に泊まる旅
金曜の夜、西ロンドンはウェストウェイ(東西に走る幹線道路)高架下のスケートパーク「Baysixty6」 にスケボーしに行ってきた。セッションは夜7時から。まず荷物を下ろすべくホテルの最寄り駅、シェ ファーズ・ブッシュ駅(ハマースミス&シティー線は路線図でピンク色なので好き♡)へ。 ロンドンの一大ショッピングモール「ウェストフィールド」とは反対側の寂しい方へ向かう。ときおり風に 乗った小便臭が鼻を刺激する遊歩道を下るとすっかり住宅街だ。その一角に突然ドでかい建物が! これが今回の宿、ホテルK Westである。
70年代のレコーディングスタジオを改装したらしく、廊下や客室ドアなどホテルというには華やかさに 欠ける印象...ここをロンドンの「かんぽの宿」と呼びたい。 チェックインしようとレセプションデスクに向かうと、ジャマイカ系の女性が物凄い剣幕で受付嬢を怒 鳴り散らしてる。一体彼女に何があったのか知らないが激オコのご様子。繰り広げられるドラマを静 観しつつスケボーバッグを背負ってお部屋に到着。お部屋はテーブルやベッドフレームなど黒が基 調でシック。お風呂場も黒曜石風。冷蔵庫も黒枠(あとでワインを持ち込むため開閉確認必須)。 さて、スケボーに向かいます。
ポートベローマーケットやノッティングヒルカーニバルで有名なラドブローク・グローブ駅で降り、高架 沿いを歩いていく。この辺はカリビアン移民地域のため、ラスタ爺ちゃんやガンジャ(大麻)臭も日常 だ。カウンシルエステート(市営住宅)が見え始めたと思ったら、どこからかカ〜ンカ〜ンとスケート ボードの音が。ここがスケートパーク「Baysixty6」! 果たしてチケットを予約した意味はあったのだろうか?と思わせるような適当〜なやり取りを受付の スケーター兄ちゃんと交わし入場。わくわく。 ガールズナイトと言えど、レールを攻めたりステア(階段)を飛び越えたりしてる猛者女子も。心が早く も折れそうだ... 初心者グループに無事合流し、様々な年齢層のビギナーズと共に練習るのみ。安心感&親近感。 「こわいよぉ〜(日本語で)」「ヒィ〜〜」「ギャ〜」と声をあげてるのは私達だけ...。初心者グループの 中にピンク色のデッキ、ウィールもピンク、膝パッド類もビタミンカラーのガーリーなインド系女子が (のちに男の娘であることが判明)。無様に壁につかまってオリー練習を続ける私のところに「どう やってやるの〜?」と野太い声で話しかけてきた。教えるもなにも、私もできてないのだが...。 ガールズナイトも佳興に入り、コンペティションタイム。そんなイベントが開始されていたのも知らず 粛々と壁に向かって飛べないオリーを繰り返していると「そこ!緑のTシャツ!こっち来て!」と突然 手持ちマイクの声。緑のTシャツ?なんのこっちゃ...いや、私かい!急いで拡声器を持つコーチの元 に行くと、「おめでとう!」と景品のナイキSBのキャップ獲得〜。ストイックな練習(彼らにはそう見え たもよう)を讃えられたようだ。 イギリスの育ち盛り女子には大盛りあがりのピザ無料配布タイムも終わり(日本人二人は宅配ピザ なぞに食指動かず)、ガールズナイトはこれにて終了。 調子にのってスケボーで帰ろうとしたが石畳でけつまずきそうに。いかんいかん。40代はケガが命取 りやで...
翌朝はホテルにて朝食ビュッフェ!と思いきやコロナ規制下により一品目頼んだらそれしか食べれな いルール。むなしくコーヒーのお代わりしにいったら、年齢不詳ゴスメイクのロッカー風オヤジがテー ブルに。よく見たら80年代エレクトロポップのゲイリー・ニューマンではないか!話しかけようかどうか
迷ったが、どことなく不機嫌そうだったのでやめた。もしかしたら彼も朝食ビュッフェにご立腹だったの かも。 そしてご褒美のスパタイム。。無機質なエレベーターで地下一階に降りるとそこはアロマが香る素敵 空間。バスローブとタオルを受け取りスパへ。小さめのスイミングプール、旅館の浴場サイズの温水 セラピープール、小さな円形ジャグジー、サウナ、スチームルーム、ソファーブース(サウナ素人なの か倒れてる人が...)。そして、ロンドンで唯一という、天然の雪が積もるアイスサウナ。プール→サウ ナ→シャワーの無限ループの後、満を持して入室。しかし中は雪から立ち昇る霧なのか真っ白で何 も見えない。手探りで鍾乳洞のような形状になっていることがわかった。それにしても何も見えない し、寒い。寒すぎる。結構せまいのでヨロヨロ動いてたらアイスバーンになった雪で滑った。痛い(泣)。
スパ体験でととのいまくった私たちは帰路につくためロンドンブリッジ駅に向かった。サウナ効果で体 の内側からポカポカ。いや、猛暑には要らない効果。昨晩のスケボーで足は重いし、テムズ川沿い の階段をのぼる足取りはいつになく重い。苦行か?!しかしテムズ沿いで飲んだアペロールスプリッ ツァー(アペロールとプロセッコのカクテル)は美味!「スケート&スパ」旅をこれからも続けようと心に 決めた夏の日であった...。
Baysixty6
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